中山道・鳥居峠
標高1197mの鳥居峠は中山道・奈良井宿と藪原宿を結ぶ屈指の難所で、林の中の道をのんびり歩くのは楽しいものだ。峠から木曽の山々の連なりと奈良井宿の眺めは心地よい。道の駅「奈良井木曽の大橋」の総檜造りの太鼓橋は必見。峠を辿る道は木曽氏と武田氏の戦いの跡や芭蕉句碑も残る。 
中山道の難所「鳥居峠」に登る   
   
 峰の茶屋 鳥居峠から御嶽山 
所在地MAP 地図リンク      
ルートの紹介 
鳥居峠は旧中山道最大の難所と云われ、どんな所か気になっていた。3月16日天気も良かったから青空フリーキップを利用して奈良井宿へ入って行くと電柱も自動販売機も移設されており、緩い勾配の屋根と二階を少しせり出した「出梁づくり」が特徴的な町並みが残っていた。

昭和初期まで旅館として使われ、島崎藤村も泊まっているという「徳利屋」は食事処として、手塚屋は「上問屋資料館」として保存されていた。中村家資料館は昔から塗り櫛を商う豪商としてしられている。カメラのシャッターを押しながら弥次さん喜多さんも泊まった奈良井宿を通り抜けていよいよ鳥居峠に向かう。

旧道に入るとすぐ石畳の道が出てくる。しばらく登って行って、木曾駒ヶ岳展望台の案内板から山道へ入って行くと木曾駒がハッキリ見えた。中の茶屋跡を過ぎて峠の橋を渡る頃になると傾斜はかなりキツクなって「鳥居峠100m」の標識まで来ると、周囲はベッタリ雪が積もっている。
           
     
 鳥居峠から奈良井宿  熊除けの鐘  フクジュソウ
           
 標高1197mの峠はかなり冷える。ガスバーナーを組み立てコーヒーを入れた。眼下に奈良井宿、西には御嶽山の山頂部が見える。
鳥居峠の名は木曽義元がこの坂上に鳥居を立て御嶽権現に戦勝を祈願したことに由来し、中の茶屋跡手前には木曽義昌と武田勝頼の戦いで命を落とした武田の兵500人を埋葬した「葬沢」という沢もあった。下山口の藪原の集落まではわずか3.4km、ゆっくり歩いても1時間半もかければ着くだろう。

帰りがけに熊除けの鐘と書かれた看板を見かけた。この時期クマは冬眠の最中のはずだが、念の為鈴を鳴らしながら慎重に下った。芭蕉も峠まで来て偶然栃の実を拾ったのだろうか。「木曽の栃うき世の人の土産かな」と掘られた句碑もあった。フクジュソウの花に出合ながら藪原駅まで下りてきたら中津川行の電車に間に合ってヤレヤレ。
           
   
 鳥居峠100m 芭蕉句碑 
   
 中の茶屋跡と葬沢案内板 登山道 
     
 鳥居峠入口  石畳の道 登山道 
     
  奈良井宿   
   
 手塚屋「上問屋資料館」 中村家資料館 
     
 木曽の大橋(太鼓橋)  奈良井宿入口 越後屋