雨乞岳
標高1238mの雨乞岳は御在所岳の西に位置する鈴鹿山脈第二の高峰で、ポッコリとした山容は登山意欲をそそる。山頂直下には「大峠の沢」という雨乞儀式が行われた池があって山名の由来となている。稜線に出ると周囲一帯はクマザサに覆われた尾根道があって、自然の豊かさを色濃く残す楽しい山歩きになる。頂上手前の東雨乞岳からの展望は良く、特に鎌ヶ岳の眺めは正面に見え迫力があって新緑から紅葉まで楽しめる。
鈴鹿山脈第二の高峰“雨乞岳”に登る
東雨乞岳から雨乞岳 雨乞岳山頂
コースタイム/武平峠登山口(1時間10分)沢谷乗越(1時間10分)七人山コル(45分)東雨乞岳(15分)雨乞岳山頂(35分)七人山コル(50分)沢谷乗越(55分)武平峠登山口
所在地MAP
ルートの紹介
ようやく過ごしやすくなった9月下旬、東雨乞岳を越えて「大峠の沢」という池を汚して神を怒らせ雨を降らせるという雨乞伝説の池や笹に覆われた山頂部がどんな所か気になって、武平峠から入って愛知川の源流に向った。雨乞岳の標高は1238m、鈴鹿山脈の中でも著名な山で人気は高い。

手近な山だが、鈴鹿スカイラインの一部が2008年の豪雨で崩れ去って三重県側から武平峠越えが出来なく、鈴鹿峠を迂回することになるから登山口まで大分時間を損した。距離およそ8km,準備して出発。頂上まで3時間半くらいみておけば到着出来るはずだ。1時間ばかり登って行って沢谷乗越に出て愛知川の源流に入る。途中鎌ヶ岳がチラリと見えた。

コクイ谷を正面にしてあとは荒れた岩石がむき出しになっている沢沿いの道を登って行くのだが、かなり体力と時間を使った。クラ谷に入ると炭焼き窯跡が目立ち、周囲にはトリカブトの花が一面咲いていた。七人山のコルまで2時間20分、ここまで登山道はかなり荒れた滑りやすい所もあったが、そんなに悪くない。一面クマザサに覆われた左の稜線を登りきると東雨乞岳のピークになる。

雨乞岳から東雨乞岳 東雨乞岳山頂 東雨乞岳山頂

東雨乞岳から御在所岳、鎌ヶ岳

ピークと言ってもここの標高は1221m。ここから鈴鹿山地一帯の眺めは素晴らしく、評判通りの展望が広がっている。目的の雨乞岳が間近に見え、西に続く道を下って行くと稲ヶ谷からの登山路が出てくる。傾斜が緩くなって頂上まで十数分の登りは人がやっと通れるほどのクマザサのトンネルの道が続くが、すぐ雨乞岳頂上に着く。

途中から山に雲がかかりはじめ、雨に濡れたササヤブを押し分けて行くのは大変だと思ったが、登って行くうちにあらかた消えてしまってありがたい。山頂直下にある凹地は小さい。池というよりは水たまりといった雰囲気である。帰りは同じコースで気楽なものだが、それでも登山口までかなりかかった。後は「鈴鹿さつき温泉」に向い、山での汗を流しサッパリして帰宅。

雨乞岳山頂直下 七人山コル手前
東雨乞岳山頂直下 コクイ谷
クラ谷炭焼き窯跡 トリカブト コクイ谷
武平峠登山口 コクイ谷 稲ヶ谷分岐指導標