笠ケ岳
標高2898mの笠ケ岳は、丸いお椀型のなだらかな稜線の上にポッカリと突き出た特徴的な山容で、古くから信仰の対象となり円空上人が開山し、播隆上人が再興したとされている。鏡平山荘から登りきった尾根道からは大展望の稜線で楽しい山歩きになる。山頂まで森林限界のハイマツ帯が続き、ライチョウの生育地になっている。下山後は新穂高温泉で温泉を楽しむのも良い。
 【1日目】距離約7.5km  時間:約5時間30分  標高差:約1,180m
 【2日目】距離約7.0km  時間:約7時間      標高差:約510m
 【3日目】距離約7.0km  時間:約6時間30分  標高差:約1,780m
岐阜県の最高峰“笠ケ岳”に登る
笠ケ岳山頂
◆コース/新穂高温泉〜わさび平小屋〜小池新道〜鏡平山荘(山小屋泊)〜弓折岳〜抜戸岳〜笠岳山頂(山小屋泊)〜杓子平〜笠新道〜左俣林道分岐〜新穂高温泉
所在地MAP
ルートの紹介
日帰りで登れる山を歩いているが、以前から行ってみたいと思っていた笠ケ岳を目指し、トレッキングツアーに参加してみた。この時期北アルプスは紅葉の真っ盛りの季節で美しい。蒲田川左俣谷沿いの林道を進み、「わさび平小屋」で昼食を摂って鏡平に向うと道幅も狭くなって山道らしくなった。周囲は岩や石がむきだしになっているが、傾斜もそれほどキツクないのでありがたい。

イタドリ
原付近まで来ると徐々に急な登りになってくる。シシウドガ原を越えるとようやく鏡池のほとりにやって来た。雲はやや多かったが、ここから見る槍ヶ岳、穂高岳は素晴らしく、評判通りの景色が広がっている。「鏡平山荘」で一泊、朝一番で弓折乗越へ向う。雲海に浮ぶ焼岳、乗鞍岳を眺めながら小1時間も登りをやって笠ケ岳への尾根を進むと大展望の稜線で双六岳が間近に見え、いつか行ってみたい気はもちろんある。

右に鷲羽岳、左に見えるのは黒部五郎岳だ。双六岳方面の登山者と別れ、弓折岳、抜戸岳を越えて行くのだが、一旦大ノマ乗越を下ることになるのは少しつらい。秩父平から急坂を登りきり、笠新道分岐まで来ると頂上が見え始めた。ここから笠ケ岳への稜線は見逃せない良い尾根で気分のいい所だ。

頂上まではおよそ1時間半、だいぶ疲れた感じで時間はまだあるからここで休養をとる。カールの底に幡隆平が見える。笠ケ岳山荘までたどり着けば明日が楽しみで、ゆるい稜線を這い上がると山荘の前に出た。ザックを置いてカラ身で頂上に向った。

小池新道入口 見頃の紅葉 わさび平小屋で昼食を摂る
弓折乗越 鏡池に映る逆さ槍 鏡平山荘
鏡池から槍、穂高連峰 鏡池から穂高岳
雲海に浮ぶ焼岳と乗鞍岳 弓折岳から槍ヶ岳
双六岳 鷲羽岳

杓子平から笠ケ岳

頂上部は石がゴロゴロしていて社が祀られていた。重さを気にしないことにして持ってきたビールがあるので、まず第一級の景色にカンパイ。ともかく別天地で味わうビールの味は格別である。

夕食はフライ、焼魚、ギョーザスープ等うわさ通りの豪華なもので、ろくな物を食わせなく平地並みの料金を取る所もあるが、北アの山小屋の食事の良さは折紙つきだ。ツアー最後の夜はかなり冷えた。山荘の外に出て頭の上を見ると、星がギラギラ輝いていて風もなく上天気が期待できる。入口の寒暖計を見るとマイナス一度だった。

翌日早起きして暗いうちから動き出し、震えながら槍、穂高連峰から登ってくる日の出を楽しんで、もう二度と来ることもなかろうかと思うと、何から何までしばらく眺めていた。笠新道を下って行くと、長くて急な坂が続き、杓子平まで来て振るかえると笠ケ岳がドカッとそびえている。

ここまで来たかいがあったというもので、あと4時間も歩けば新穂高温泉に着く。道はやや急になるがたいした難所もなくて、あとはひたすら下るだけで新穂高温泉まで戻ってきたらかなりバテた。それでも戻ったのは14時だった。「ホテル穂高」で山での汗を流し、サッパリして帰宅。

笠ケ岳への稜線

ハイマツ帯の登山道をゆく 抜戸岩 秩父岩
笠ケ岳山荘 笠ケ岳山頂直下 山頂から笠ケ岳山荘
夕食 穂高岳から登る日の出 槍ヶ岳・日の出前