大富山
大富山は土岐市の北部に位置し、標高は標高は341mと低いが三角点がある。丘陵地の谷底面に湿地が広がり、ヘビノボラズ、ミヤマウメモドキ等樹木の種類も多く、特に「北畑池」上流にはシデコブシが自生し伊野川沿いの中を通る古道は気楽で楽しい山歩きとなる。
      伊野川の源流“大富山”に登る
  大富山三角点
◆登山口(10分)安らぎの滝(25分)北畑池(10分)大富池(40分)大富山山頂(1時間)登山口)
所在地MAP
コースの紹介
土岐市北部の伊野川は土岐川の支流のひとつで、源流地域に昔は北山と呼ばれた大富山というのがあって、白山神社から川沿いに旧美佐野街道を行くと、今では地元の人もほとんど通らないが、道の跡はハッキリしていて傾斜もキツクなく所々石垣も残っている。

「安らぎの滝」からほんの十数分も行くと「おりべの丘」からの道が出てきた。しばらくの間、雑木林の快適な道が続いて、シロモジの木が沢山生えている。クロモジと同様特有の香りがする木だ。この辺りは典型的な湧水湿地が広がっていて、市の天然記念物「北畑池湿地」として保護されている。

開けた所に出ると広い林道が通じていて細くなった伊野川源流沿いに行くと池があった。天然の池だと思ったら堤に堰きとめられた人口の溜池で、水面はスッカリ凍っている。池のほとりで昼食を摂って、林道を北へ行くと二つ目の池に出た。

これが大富池で、ふちには湿地らしい所が見え、池のヘリから南に下りて凹地に行ってみるが、ヤブがひどく途中で引き返したが、夏にはサギソウやトキソウ、ハッチョウトンボも見られるそうだ。大富山の最高点は、国土地理院二万五千分の一の地形図にも出ている丘陵地の1号山と呼ばれる所らしく立木に木札もかかっていたがハッキリしない。

このあたりが最高点と思われる付近にわずかにフミアトらしい所が残っていて、奥へ入って行くと三角点があった。帰りは三叉路から沢を離れ、明るい美佐野街道をに下りておりべの丘に出た。
万歩計を見ると意外に歩いていて11,000歩。約6km歩いた計算になった。


北畑池 大富池
広い林道 美佐野街道指導標
登山道をゆく 登山道
安らぎの滝 旧美佐野街道登山口



平木山
標高544mの平木山は美濃加茂市の北東部に位置する御殿山山系の一角をなし、国土地理院地形図には記載されていないが、山頂には三角点がある。雑木林の登山道を登りきった峠には石仏が鎮座し、昔の峠道の雰囲気を味わえる。
    御殿山山系のヤブ山“平木山”に登る
平木山山頂
◆コースタイム/登山口(45分)猿の岩(10分)峠(20分)平木山山頂(15分)水無瀬林道(1時間15分)登山口
所在地MAP
コースの紹介
美濃加茂市観光協会のパンフレットを広げていると、三和町・川浦川上流の治田洞地区から奥山自然歩道が御殿山までつながっている。今日は御殿山山系の東・平木山に目標をおいた。

治田洞コースを歩き始めると名前から見当もつかないような尖った山容の平木山が正面に見え、川浦川支流の奥に向かって薄暗い道が続いている。あまり利用されていない雰囲気で、何が先にあるか分からず精神衛生上も良くない感じだ。
渓谷沿いに登って行って滝の音が聞こえてくると小さな一の滝・二の滝が現れ、何年かの雨や雪でかなり崩れている所もあったが、その先に開けた所が見えてくると初めて明るい場所に出た。周囲にタラの木が沢山生えている。春先この芽を採ってテンプラにすると独特の味がして美味である。

「猿の岩」からジグザグに登って行って尾根に出るとお地蔵様に出くわした。見ると享和元年とある。当時は間見方面へ下る重要な峠だったろう。幸いに風はあまり強くなく小休止して東の尾根を行くと、途中からフミアトもろくに無く倒木もかなりあった。一ヶ所だけだが北側が開け、白山が姿を見せてくれた。

尾根の方向さえ間違わなければと気は楽だったが、奥へ入って行くと道跡はハッキリしなく、しばらく尾根筋を注意深く進むとようやく頂上にやって来た。大きな岩があって休憩するには丁度いい場所だが、ヤブに覆われ三角点は探してもどこにあるか分からない。平木山から「治田洞」へ抜けようと尾根を下りた登山者がいるが、ここでついにあきらめ峠まで戻り猿の岩へ下りた。

帰りの上水無瀬林道から御殿山山系がハッキリ見え、今日の登山の収穫だったが、ただ長くて単調なだけで林道終点までケッコウ時間がかかった。この日は木曽川沿いの「湯の華アイランド」の野天風呂に浸かってヤレヤレだった。



登山道から白山 倒木
お地蔵様 峠のお地蔵様
登山道 奥山自然歩道指導標
一の滝 登山道入口



岩古谷山
標高799mの岩古谷山は愛知県設楽町の中心に位置し、二千万年前に噴火したとされる火山の溶岩からなり、東海自然歩道の三大難所のひとつになっている。頂上からの奥三河の山々と麓の村落の景観は心地よい。
東海自然歩道・三大難所の一つ“岩古谷山”に登る
山頂から三つ瀬明神山
◆コースタイム/登山口(30分)堤石峠(30分)岩古谷山山頂(50分)登山口
所在地MAP
コースの紹介
今年も山があれば行かずにすまされなく、生涯山から足を洗えそうもない。東海の百山、これはここ数年の間にやってしまいたい目標のひとつで、毎回山登りの計画を練っている時が一番楽しい時間である。

地図を広げて登山口を探していると奥三河地方には高さ1000m前後の低山トレッキングに魅力ある山が沢山あって山友達を誘って岩古谷山へ出かけた。今日は寒波の影響も少なく冷気もそれほど気にならない。国道153号線沿いの道の駅・どんぐりの里いなぶで待ち合わせ、設楽町和市の集落に入ると民家の脇に登山道の指導標が立っている。
山側に向かって緩やかな道が続き「十三曲り」と呼ばれるジグザグの道を行くと狭くもないし急でもなく、林の中を30分ばかり進んだところで峠に来た。案内板には「田口と奥の黒倉集落を結ぶ唯一の街道」とある。むかしは麓の村人達も歩いた堤石峠を越えて南の尾根を進むと突然正面の岩の壁が現れ、急斜面を登りきったその先に360度の展望が広がっていた。

眼下に登山口の和市をはじめ田口、黒倉の集落が点在し、北の方を見ると大鈴山、平山明神山など奥三河の山々を見渡せ、朝からめったにないくらいの上天気で見応えのある景色だった。この時期昼食にオニギリなんか持っていくのは考えもので、ニギリ飯の冷えたものなんか食えたものではないが日頃から食べ慣れているものだから、せめてインスタントの味噌汁を沸かしオニギリを広げた。

山の中ではどんな食事も美味でゼイタクは言っていられない。頂上には30分もいれば満足する。岩古谷城跡から堤石トンネル方面へ下るコースを下りて来て、帰るにはまだ日は高く時間はタップリあるから道の駅に寄道してひさしぶりに二人そろっての楽しい山旅だった。


田口、荒尾の集落 山頂から平山明神山
鉄梯子 クサリ場
岩古谷山の岩壁 岩古谷山30分の標識
登山口 堤石峠案内板





姫越山
標高502mの姫越山は三重県大紀町と南島町の境の位置し、海抜0mから登り始めるので標高より登り応えは十分あり、美しい山名には落人伝説の悲話が残っている。頂上からは熊野灘 錦湾を望み、登りやすく展望は良い。
熊野灘 錦湾を望む“姫越山”に登る
姫越山山頂
◆コースタイム/登山口(25分)展望台(40分)山頂への分岐(15分)姫越山山頂(15分)分岐(55分)芦原峠分岐(1時間)駐車場
所在地MAP
コースの紹介
東海の百山の中でも三重県伊勢・尾鷲地方は今まで登る機会が少なく、まだ行ったことがない所が気になっていて知らない山へ行ってみたいと思っていたところ、たまたま名鉄ハイキング「熊野灘 錦湾を望む姫越山」コースを見つけ、久しぶりに海の景色を楽しもうと出かけることにした。

初めて尾鷲地方の山に登ったのは昨年の「八鬼山」だったが、世界遺産・熊野古道は中高年の登山ブームとやらでバスツアーでドット押しかけていって、前の人を見ながらゾロゾロ歩いて蟻の行列だった。姫越山自体は標高502mと低いが、標高差は500mあって難易度は☆☆☆、日本地図帳にもその名が出ている。

日の出公園駐車場に着いたのは9時40分を少し廻った頃で、距離がある分登山口まで3時間かかった。展望台に向かって急な坂が続いて、お姫様と従者の落人伝説の悲話が残る「姫塚」から十数分も行くと山頂まで1時間半程度のものですんだ。

ここから熊野灘一帯の眺めは素晴らしく、山に登って海を見る機会は滅多に無く、山と海が一体となった明るく気分のいい所である。カメラのシャッターを押し景色を心残りなく味わっておこうと見飽きるまで眺め、姫越山を十分楽しんだところで下山にかかる。

帰りは「前ひめご」と呼ばれる459mのピークを越えて落葉で滑りやすい急な坂を下りて行くと、途中芦原海岸の白浜がハッキリ見えはじめ、1時間程で浅間神社に出た。バスの出発時間を気にしながら駐車場へ戻って着たら、帰るにはまだ大分時間があった。今日はY氏も一緒でケッコウ山に強くカンもいいので将来かなりの登山家になるかもしれない。
万歩計を見ると15956歩だった。


錦湾 芦原海岸の白浜
姫塚 山頂への分岐
登山道をゆく 前ひめご
漁港風景 登山口



朝熊ヶ岳
標高555mの朝熊ヶ岳は三重県伊勢市の南部、鳥羽市との境に位置し、志摩半島の最高峰。伊勢志摩を代表する霊山として知られ、825年に空海が真言密教道場として金剛証寺を建立したと伝えられている。登山口から朝熊峠まで二十二町に区切られ、側には石仏が置かれている。
志摩半島の最高峰“朝熊ヶ岳”に登る
朝熊ヶ岳山頂
◆コースタイム/朝熊駅(10分)登山口(35分)十一町石(30分)朝熊峠(20分)朝熊ヶ岳山頂(30分)展望台(40分)朝熊峠(55分)登山口
所在地MAP
コースの紹介
2月の第三週目は三重県尾鷲地方の姫越山に続いて伊勢の朝熊ヶ岳に登った。この山は古くから伊勢志摩を代表する霊山として知られ、山岳信仰の対象になっている。朝熊ヶ岳“あさまがたけ”という読みは難しく、付近を近鉄鳥羽線が通っているがその駅名も朝熊“あさま”である。

名古屋駅から賢島行きの特急に乗り、五十鈴で乗換え朝熊で下車、10分も行くと駐車場の脇に登山道の案内板があった。歩き始めるとこの登山道はたいした難所もなさそうでゆっくり行着けばよく、町石を数えながら十一町石まで来ると少し汗ばんできてフリースを脱いで水分を補給、軌道跡だけになったケーブルカー跡など眺めながらしばらく行くと朝熊峠にやって来た。

峠にはベンチが置かれ明るく展望の良い所だ。昔は参拝客で賑わったであろう旅館跡にはくずれてしまった釜戸跡や土台石が残ったいるだけだ。舗装された道を途中からショート・カットして進むと突然前方に木のない空間がひらけて広々とした朝熊ヶ岳山頂に出た。

今日は風が冷たく、朝早いせいか人影は全く無い。金剛證寺に参拝し、展望台に向かうと鳥羽湾のパノラマが広がり、ふりかえると朝熊ヶ岳がハッキリ見える。せっかくここまで来たのだから国指定経塚群にも寄道して、帰りは来た道を下って行くと1時間程度のものですんだ。
万歩計16836歩。およそ10km歩いた計算になった。


展望台から鳥羽湾方面 山頂の境内
金剛證寺本堂 案内標識
朝熊峠 十一町石
ケーブルカー軌道跡 登山道案内板