六所山・炮烙山
◆六所山と炮烙山は豊田市の東部に位置し、標高は低いがのどかな里山として風情があり展望も良い。登山口の六所神社は、松平家の祖・徳阿弥が奥州塩釜の六所神社を勧進したと伝えられている。炮烙山はその名の通り炮烙を伏せたような山容で、豊田市の最高峰となっている。
 徳川家康ゆかりの“六所山”と炮烙山”に登る
炮烙山山頂
◆コースタイム/きつねコース登山口(45分)六所山山頂(10分)展望台(20分)六所神社奥宮(35分)登山口〜いこいの広場(25分)炮烙山山頂(15分)いこいの広場
所在地MAP六所山炮烙山
ルートの紹介
10月の第2週目は愛知県西三河の六所山と炮烙山に登った。ここは懐かしい所で六所山のふもとから少し登って、司馬さんも歩いた徳川家の先祖・徳阿弥の菩提寺に行った記憶がある。高月院の白い塀と山門はいやにはっきり憶えている。

矢作川の支流・巴川付近まで来ると松平橋、松平高校など徳川家に縁のある名前が目に入ってきていよいよ松平郷に入ってきた感じがする。大内町の集落に入り、看板を目標に豊田総合野外センターに向かう。「きつねコース」の案内板から南に向かって登山道が続いている。これを登って行って山頂から北西に50mも行くと台地状に開けた所に出た。

見晴台となっているが反射板が設置されていて雰囲気はあまり良くなく、スペースも狭いがガスバーナーを用意しコーヒータイムにした。。山頂を過ぎたら神社があった。これが六所神社奥宮だ。「うさぎコース」を下る道で台風18号で倒れたデカイ倒木をくぐり抜けて進んでいくと、沢沿い近くの斜面に休憩出来る場所を見つけたが、次は隣の炮烙山へ移ることにした。

山頂直下の「いこいの広場」まで車が入り、頂上まで20分程の登りで済んでしまう。西側に六所山が姿を見せ、ここからの眺めも見応えがある。山から下りて来て松平親氏公の像と久しぶりに対面し、せっかくここまで来たのだから高月院も見ておくことにした。

境内に人気はなく、おかげでゆっくり見物できてケッコウな話だ。時計も12時を廻り急に腹が減ってきて、今日の昼食はいつものコンビニで買った間に合せのオニギリではなく、松平郷のはずれの茶屋で麦トロを注文しようと決めた。素朴な食事でおかずにフキを煮たものがついていた。


六所山山頂 炮烙山展望台
六所神社奥宮 六所山見晴台
登山道をふさいでいる倒木 きつねコース登山口
高月院 徳阿弥の像


冠山

◆標高1257mの冠山は岐阜と福井の県境の越美山地に位置し、烏帽子冠に似た山容は登山意欲をそそる。尾根道にはブナの原生林が広がり、変化に富んだ景観はハイキング・コースに最適で山頂からの展望も両白、越美山地と素晴らしい。
  烏帽子冠に似た越美山地の“冠山”に登る
冠山山頂
◆コースタイム/冠峠(1時間10分)冠平(15分)冠山山頂(1時間29分)冠峠
所在地MAP
ルートの紹介
まだ行ったことがない山の向こうに何があるか気になって、一応見ないと気が落着かない。10月の山歩きはH氏から冠山はどうかと誘ってくれたので、すぐOKの返事を出した。K氏を誘ったところ最近体調を崩して病院なんかまるで縁がなかったが、急に弱気になったようだ。

久しぶりに三人そろって越美山地の冠山へ出かけた。国道417号線を冠峠付近まで来ると、烏帽子冠に似た冠山が見え始めた。紅葉のまっさかりにはまだ少し早いが、駐車場に車は満車状態で混雑している。11月に入れば冠峠あたりのブナの原生林の黄葉はすばらしいだろう。

まず尾根合流点を正面にして30分ばかり明るい山腹を進んだところで標高1156mの小ピークあたりまで来たが、標識もなく気付かずに通過してしまった。登山道の脇にはナナカマドが赤い実を付けていて良く目立つ。
冠平への道は人ひとりが通れるだけの幅だが良く踏まれていて、南に続くブナの原生林を一旦下り再び登って行くと、周囲は一面ササに覆われた広い冠平に出た。側に遭難の碑が立っており、昭和30年11月とある。ここまでおよそ1時間10分、上から次々と下山してくる登山者とすれちがいながらフィックスロープをたよりに15分も登れば頂上に到着。缶ビールで乾杯し、昼食とした。

あたりを見下ろすと360度の展望が広がり、地元の人らしい先客二人が徳山ダム方面をジット眺めていたが、しばらくして「お先に…」と声をかけて降りて行った。帰りがけに「道の駅・織部の里もとす」に立ち寄り、特産の富有柿を購入しこれを土産とした。


冠山山頂付近 冠山山頂から冠平
登山口と金草山方面 最後の登りにかかる
ブナの原生林をゆく 冠平
ナナカマド 登山口から冠山


藤原岳
◆鈴鹿山脈の北端にある標高1130mの藤原岳は三重県と滋賀県の境に位置し、「鈴鹿セブンマウンテン」のひとつに数えられフクジュソウの多い山として有名だが、3月下旬から4月上旬にはセツブンソウも美しく咲く。
鈴鹿セブンマウンテンのひとつ“藤原岳”に登る
藤原岳山頂
◆コースタイム/駐車場(55分)5合目(35分)八合目(50分)藤原山荘(15分)藤原岳山頂(2時間25分)駐車場
所在地MAP
ルートの紹介
11月の山歩きはバスツアーを利用して鈴鹿山脈北端の藤原岳登山コースに参加した。問題は天候だが出発当日はめったにないくらいの上天気でこれならいい山旅になるとホットした。およそ10キロ、6時間かかるコースは難易度☆☆☆の健脚向きで、久しぶりにハードな山登りになりそうだ。

東名阪自動車道・桑名ICから30分ばかり西へ行った先が登山口となっている。見頃の紅葉はさすがで大貝戸道の案内板から登って行くとたいした傾斜ではないが途中から結構キツイ登りもあって,休み休みかなりの時間と体力をつかってようやく藤原山荘にやって来た。

いままで尾根にかくれて見えなかった山頂部が見え始め、山荘から南に向かって登山道が続いている。ここまで来れば目前で、次々と下山して来る先客達とすれちがいながら15分ばかり登るとそこが頂上だった。展望台となっていて予想通り見晴は良い。

11月に入ってドット寒くなって山上はかなり冷えるだろうとジャケットを用意したが、朝から平年並みの気温に戻りおかげで一汗かいてしまった。腹ごしらえして元気が出たところで、帰りがけにここより高い「天狗岩」まで行ってみようと思ったが、その分だけ帰りの行程を考えるともう時間切れで下山にかかる。

この日は高速道路の値下げで渋滞が予想されたが、予定通りに到着しヤレヤレだ。紅葉の季節は短いから寝る間も惜しんで動き回り、来週は伊吹山北尾根・国見岳へ行ってくる。


藤原山荘 八合目
登山道 見頃の黄葉
二合目 登山道をゆく
駐車場 登山口


三周ヶ岳<夜叉ヶ池>
◆標高1099mの山の中にある夜叉ヶ池は岐阜と福井の県境に位置し、周囲は原生林に覆われ昔より夜叉ヶ池伝説で知られている。新緑も紅葉も素晴らしく、高山植物も豊富である。
    龍神伝説が残る“夜叉ヶ池”に登る
中央の三周ヶ岳と夜叉ヶ池 夜叉ヶ丸途中から夜叉ヶ池
◆コースタイム/池ノ又谷林道終点(1時間40分)幽玄ノ滝(25分)夜叉ヶ池(1時間10分)池ノ又谷林道終点
所在地MAP
ルートの紹介
11月中旬、越美山地の三周ヶ岳へ出かけた。最初から頂上まで行くつもりはなく、池ノ又谷沿いに山腹の急斜面を越えてブナの林に入り、標高1099mの山の中にある夜叉ヶ池がどんな所か気になって入ってみた。
渓谷沿いに1時間ばかり登って行って幽玄ノ滝を見上げながら小休止して、夜叉壁から稜線鞍部までの最後の約50mの登りはロープを利用して直登し、乗り越えて先を見下ろすとそこが夜叉ヶ池だった。周囲230m、林に囲まれしっとりとした感じのいい池で、雨乞いの龍神伝説が残っていることで知られている。

三周ヶ岳は人気が高く、ここからほとんど全部の登山者と別れると静かな雰囲気を味わえる。10分ほど斜面を登って夜叉ヶ丸まで行ってみた。途中上から見下ろすと池のブルーがよくわかる。

数十万年前の地滑りの跡の凹に出来た天然の池は、水系がつながっていないから魚はいなく、たまり水のせいかあまり冷たくない。絶滅危惧種の指定されているヤシャゲンゴロウの生息地で、イモリもいるらしいが繁殖のシーズンではなく池の中をのぞいてもこの時期出会えなかった。

昔からイモリの黒焼きはホレ薬になり、これをふりかけるとてきめんに効くそうだが…。池の向こう側に平地があるので行ってみようと思ったが立入禁止区域で引き返した。山上は風が冷たくかなり冷えたから、帰りがけに「いび川温泉 藤橋の湯」に寄り道して久しぶりに長湯をしてしまった。


案内板 夜叉ヶ池
幽玄ノ滝 夜叉壁
登山道 ブナ林をゆく
コムラサキシキブ 登山口


国見岳
◆標高1126mの国見岳は、国見峠を起点に大禿山・御座峰を越えて伊吹山に至る北尾根コースと呼ばれる一角に位置し、山野草が豊富で夏はイチリンソウ・ニリンソウ等美しくハイキングコースとして人気がある。
     伊吹山北尾根“国見岳”に登る
国見岳山頂
◆コースタイム/国見峠(25分)分岐(45分)国見岳山頂(30分)分岐(25分)国見峠
所在地MAP
ルートの紹介
今年の秋は紅葉の山を十分楽しんだところで、三重県の鈴鹿、尾鷲地方等まだ行ったことがない山が気になっていたが、11月の第4週目は伊吹山北尾根・国見岳に目標をおいた。

岐阜市内に入ると朝の渋滞が始まっていて平日の県庁前を待合わせ場所に選んだのは失敗だったが…。国道21号線沿いの大垣市から「春日局」の出生地と伝えられている旧春日村に向かい、国見峠まで乗りつける。峠に着いたのは10時半を少し廻った頃で、幸い寒くもないし風もたいして強くなかった。

標高は840m、1時間もかければ山頂に着くだろう。電波塔跡地まで来ると周囲は広々とした銀助平と呼ばれる頂上台地で、揖斐の山々が連なり絶景だった。国見岳山頂から南に続く大禿山、御座峰を越えて伊吹山まで北尾根ルートが通じている。

高い所からの見下ろせは気分が良く、伊吹山にかかっている雲は消えそうもないが東側に大きく見えるのは池田山で、そうなるとその左は貝月山とブンゲンらしい。

近くで黒っぽいクマのウンコらしいものに出会うが湯気は立っていないから古い物らしく、登山口には「熊出没注意」の看板も立っていてクマよけの鈴は必携だった。周囲にはブナ林もあってこのブナの実は食べるとクルミのような濃い味でうまいらしい。いつか新緑の頃、この北尾根コースを伊吹山まで歩いてみたい。今日はどこへも寄らず、土産も買わず帰った。


国見岳から大禿山、御座峰 伊吹山
貝月山 登山道をゆく
鉈ヶ岩屋分岐 登山道
熊出没注意 国見峠登山口