京都散歩記Ⅴ
     
 京都散歩だが、昨年見残した東寺から島原~壬生寺~頂法寺~行願寺辺りを歩いてみた。
朝から雲が多かったが、毎月21日の弘法さんの縁日をねらって京都駅から15分程で前方に東寺の五重塔が見え始めた。

南大門をくぐり境内に入って行くと露店がズラリと並び骨董、古道具屋や植木市やらお参りする人で大変な賑わいだ。

東寺亀の周囲をまわりながら亀の頭や足をなで、自分の患部をさすると万病に効くらしく人気があって腰痛にも期待できる?
   
   新幹線から伊吹山 御影堂山門 
     
 露店  露店 御影堂
     
 御影堂立札  御影堂 東門に掲げられた提灯 
   司馬さんは「京都の寺院を歩くには、平安最古の遺構である東寺の境内を出発点とするのがふさわしく、古い形式の住宅建築である御影堂を見たのち他の場所へ移って行くのが京都への礼儀である」と書いている。

御影堂に向かうと『古寺巡礼京都』東寺、司馬遼太郎氏の文章より「東寺の御影堂の前で待ちましょう・・・」と書かれた立札が立っていた。

九条通りを西へ少し行くと、小さな児童公園に平安京の正門だった羅生門跡があったが、今では礎石もなく石碑があるばかりだ。
 
 万病ぬぐい授与所   東寺亀 
 
 羅生門と云えば2月に芥川龍之介の藪の中を脚本した黒沢明監督の「羅生門」を始め「天国と地獄」「酔いどれ天使」「生きる」が可児市で一挙放映されるから楽しみである。

参拝の後 大宮通り沿いで弘法さんの日限定の焼きよもぎ大福の「御菓子司・東寺餅」と普段は川魚屋だが、21日だけうな丼が食べれる「鮒末」を見かけた。

よもぎ大福はかなり大ぶりで、昔ながらの製法なので翌日には固くなるが、あぶって食べれば又違った味を楽しめる。

 
 御菓子司・東寺餅   よもぎ大福 
     
 羅生門跡碑 南大門と五重塔  五重塔 
     
 鮒末 角屋  久坂玄瑞の密議の角屋碑 
   梅小路公園で小休止して島原大門を抜けると、江戸の名残を残す「角屋」と今も営業している1668年創業の「輪違屋」がある。
輪違屋は遊女、大夫を擁する日本で唯一の茶屋で、玄関には観覧謝絶の木札がかかっていた。一見さんはお断りの世界だ。

幕末の角屋も西郷隆盛ら尊王派が密議を凝らした場所で、「久坂玄瑞の密議の角屋」と刻まれた石碑が立っており内部を見学したいと思ったがあいにく閉館中だった。

芹沢鴨の泥酔に乗じてひそかに誅殺しようと、新撰組幹部の酒宴が行われたのもこの角屋で、八木邸に戻ったところを近藤勇らに暗殺された。
 
 島原大門   島原 
 
 壬生寺の境内のすみに近藤勇の胸像と遺髪塔があって、側に芹沢鴨の墓もある。

八木邸から東へ数分も行った先の光緣寺には山南敬助ら二十八名の新撰組隊士の墓があった。

次の目的地 聖徳太子ゆかりの西国十八番頂法寺(六角堂)へ向かう途中、油小路通り蛸薬師山田町の旧本能寺小学校付近で「此付近本能寺跡」の石碑を見つけた。
 
輪違屋    輪違屋 
     
 輪違屋  八木邸 壬生寺山門 
     
近藤勇胸像  壬生寺本殿  壬生寺新撰組墓所 
 
◆ 
六角堂は周囲をビルに囲まれたその名のとおり六角形の寺で、太子が沐浴したと伝えられる池跡のほとりに僧侶の住坊があったところから池坊と呼ばれ、池の坊華道発祥の地だ。

門を入った所に「へそ石」というものもある。六角通りを東に進み、御池通りを横ぎって市役所の横を行くと通称革堂と呼ばれる変わった名前の西国19番行願寺がある。

境内に入って行くとお遍路さん一行に出くわした。本堂に円山応挙が描いた幽霊の絵馬があるが公開日でなかった。

 
 芹沢鴨墓   光緣寺 
   
左手に京都七福神のひとつ寿老神堂が祀られており、不老長寿のご利益がある。

このあと四条に出て「松葉」でニシンソバを注文、創業文化元年(1861)という老舗の味はさすがに美味かった。

やっぱり京はいい所だ。徒歩時間およそ8時間、かなり歩いた。
 
 本能寺跡碑   山南啓助ら新撰組隊士墓 
   
六角堂山門  六角堂・へそ石  六角堂 
     
 六角堂 池坊華道発祥の地碑   生け花のモニュメントと太子堂
     
 太子堂 行願寺のお遍路さん  行願寺山門
     
 松葉・ニシンソバ 松葉本店  京のくすり屋さん