双六岳
標高2860mの双六岳は長野・岐阜県境に位置し、お椀を伏せたような緩やかな山容をしている。花の百名山に選ばれるほど登山道周辺には高山植物の群生地が広がっていて、槍ヶ岳、穂高岳の眺めは素晴らしい。山頂の南側には氷食地形のカールも見られる。山名は双六谷の源流にあることに由来し、また双六谷には双六のサイコロあそびの伝説が残っている
奥飛騨の花の百名山“双六岳”に登る
双六岳山頂
コースタイム/新穂高温泉(1時間20分)わさび平小屋(4時間半)鏡平山荘(1時間)鏡平分岐(1時間10分)双六小屋(1時間10分)双六岳山頂(50分)双六小屋(2時間20分)鏡平山荘(3時間15分)わさび平小屋(1時間)新穂高温泉
所在地MAP
ルートの紹介
この時期どんな花が咲いているか楽しみで、今年中にやっておきたいことの目標を立て、1年ぶりに北アへ出かけた。一番楽しい時間は計画を練っている間で、実際行ってみると悪天候でガッカリした山も随分あった。そろそろ出発の日が近づいてきた頃、九州あたりでグズグズしていた台風6号が行ってしまってホットした。

わさび平小屋で一泊し小池新道を鏡平山荘に向う。急な山道を登っていくのはかなりキツイが、休み休みシシウドが原を超えて4時間半ばかり登っていって鏡池のほとりにやって来た。ちょうど山に雲が張りついていて槍、穂高の展望は明日までおあずけらしい。鏡平山荘で昼食を摂って大休止して進む。いつものことだが食べるとトタンに元気がでてくる。

とにかく弓折乗越を越えないと目的地に着かないから、小1時間の登って行くとようやく尾根が出てきて双六岳への稜線が広がっている。山の中でも日中はメッポウ暑く登りは汗まみれになった。笠ヶ岳方面の登山者と別れてしまうと後は気楽なもので、風が涼しく快適に歩けた。

弓折岳稜線をゆく 双六小屋 双六池の向こうに双六小屋

花見平あたり一面はお花畑が広がっていてクロユリを見つけた。チングルマやハクサンイチゲも美しく咲いている。さすがにさわやかで別天地だ。高山植物と言えばやはりコマクサだろうが、この双六岳には分布していないらしい。正面に鷲羽岳が現れ、双六岳と樅沢岳の鞍部に今夜の宿となる双六小屋が見えはじめるはずだったが、ガスっていてよく見えない。
斜面を1時間も下ると双六池だ。双六小屋でひと休みしたところで、頂上往復2時間強と予測して双六岳に向う途中からとうとう雨になった。かなり疲れているが別に何でもなくレインウエアーを着込み斜面を登りきるとそこが山頂だった。一度見たいと思っていた双六岳だが、あきる程居れば心残りはない。

山小屋の食事はウワサ通りゴウカなもので明日への活力が出てくる。ほとんど飲み食いせずにガンバッタからまずビールで乾杯、かなり割高だがこんな美味いものがあってありがたい。すきっ腹にアルコールがよく利く。夜になると標高2600mの山小屋はドカット冷えてきてかなりの寒さだった。翌朝早朝に出発。あとはひたすら新穂高温泉まで下るだけだが、高山植物の真っ盛りの季節で飽きることはない。花の百名山を十分楽しんで、なによりも温泉で3日間の山での汗を流しドップリ湯に浸かった。

コバイケイソウの登山道をゆく 花見平手前の雪田をゆく
ミヤマクロユリ ミヤママンネングサ
コイワカガミ ミヤマキンバイ クルマユリ
ニッコウキスゲ ハクサンフウロ ヨツバシオガマ
チングルマ ミヤマキンポウゲ キヌガサソウ
鏡平山荘 わさび平小屋 ベニバナイチゴ
双六小屋夕食 双六小屋朝食 コバイケイソウ